2016年読んだ本ランキング

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします、という挨拶を今年は家族以外に言う予定のないawoです(awoですなんて言うの、いつ以来だろう)。その心は、大学の冬期休暇期間を延長して数日間自主休講するため、正月的日々に大学の外の知り合いと会う予定のない僕に正月的挨拶をする機会は訪れないからです。はい。


 とまあ特にオチのない以上の文章を書いた理由は「しばらく僕は京都にいないので4649」というメッセージを伝えたいからに他ならなく、しかし残念なことに僕の知り合いでこのブログを閲覧してくれる方はいるのかいないのかってのが実情のようなのでこの記事を見た方はこの事実を大切に胸にしまってしかるべき時に唇からしかるべき相手にほとばしらせてください。

 さて。現在実家の自室のお布団でぬくぬくしている僕ですが、巡回するブログ(サンプル数3)の内半数以上が2016年の読んだ本ベストを発表しているため、僕もそれにならって発表してみようと思います。見渡す限り読書日記を日々更新する人なんてわずかしかいませんが、こういうまとめ的な物だけはお手軽なので更新する人が多いですね。僕もその一人です。読書メーターとTwitterで既にベストを発表済みではありますが、この記事では軽くコメントをってなんだコメントって調子乗るなとセルフツッコミ。テレビとかの物言いをそのまま使う人にはなりたくないものです。

 で、その前に、2016年の読書生活を若干振り返ってみようかと思います。僕は月々によって読む本の傾向が変わるのです。また読む本にはその時々の精神状態なども色濃く反映されるため、本を振り返るとはとりもなおさず一年を振り返ることでもあるのです。


 まず1月。
 読んだ本はバラバラ、なのはいつも通りですが、自発的に読みたい本を読んだというよりは読書会の課題本や学部の新書を読んだりした月で、試験と小説執筆のためそもそもあまり読書が出来ませんでした。自分がどんな本が好きなのかがよく解っていなかった時期です。

 2月、3月。
 春休みです。過去最高に読みました。本当に何でも読んだのですが、主に筒井康隆を読みました。30冊くらい。で、実験文学に前以上に興味を持ち、こうなると純文もちゃんと読まなきゃならんのだろうと思ったため、そういう本も読みました。この2ヶ月で僕の好みがはっきりと定まりました。で、この頃からミステリ研のくせにミステリを全くと言っていいほど読まなくなったわけです。まあ冊数的には他の人と同じくらいな気もしますが、ミステリの占める割合という意味で。

 4月。
 この時もバラバラです。サークルの新歓で忙しく、その場その場でテキトーに読みました。面白い本は読んだのですがどれも勉強という意味合いが強く、あまり楽しい時期とは言えません。

 5月、6月、7月。
 春休みからの流れで実験文学的なのと純文、あとは少しSFを読んだり。実験文学的なのとはジョイスの『ユリシーズ』とクノー、純文とはオースターとサリンジャー、SFは長門有希の百冊に入っているものです。この頃は割とつらかった。

 8月。
 SFとミステリをどちらも楽しく読めた月です。「読んだら絶対に面白い」と解っている本ばかり読んだせいかもしれません。この頃はブログも頻繁に更新していたためそちらを参照していただければ。

 9月。
 8月と同じく「読んだら面白い」と解っているミステリと、あとはいつか読もうと思っていたラノベ石川博品、下旬になると小説執筆の参考となるような小説を読みました。夏休みはあまり重い本を読まなかったですね。

 10月。
 年末のミステリーランキング投票のために新刊を少し。あとはこの頃「ゼロ年代」のことばかりを考えていたため、J文学的なものとかゼロ年代回顧ラノベを読んでいました。軽いものばかり読んでいました。

 11月。
 読書会・オビミスの影響で珍しく楽しくミステリを読めた月。流水も読んだ。で、神林長平とかSFもようやく自覚的に読み始めた月でもあり、これはそのまま12月に繋がります。

 12月。
 名作と呼ばれるSFを読もうと決意し、海外SFをたくさん読みました。とっても楽しく、これは新本格ミステリを読み始めた当初の「無限に広がる可能性」に思いを馳せた日々を彷彿とさせます。ミステリも充実しており、間違いなく去年一年間で一番良い読書生活を送れました。


 とまあこんな感じです。あまり振り返れたという実感はないですね。1年間しかURLが有効ではないと思いますが、こちらを見てください。ほれ

 結論としては春頃までは模索、秋までは拡張と言うか肉やら脂肪を蓄え、冬に骨を太くしていった感じです。自分にしか解らない説明となりますが。


 ようやく本題に入れます。ではランキングをどうぞ。

1位 宇宙消失 
2位 月世界小説
3位 鴉 
4位 女王国の城 
5位 私小説 
6位 ソラリス 
8位 2 
9位 第三の嘘 
10位 スキップ 
11位 最上階の殺人 


 11位から。『最上階の殺人』
 これはアントニイ・バークリーの脂ののった時期の作品で、長門有希の百冊選定図書でもあります(だから読んだ)。バークリーはこれで5作目(『殺意』も含めて)。先輩の話だとどこが面白いのかが解らなかったのですが(確かに話の構造としては特別変わったものではなく、構成の点では『地下室の殺人』の方が面白い)、こればかりは読まなくては解りません。文体・ユーモア・キャラクターさえ揃えば僕は喜ぶのですが、そこにミステリをメタ的に扱うという点も加わればもう最高としか言うことが出来ません。シンプル。機械仕掛けのawo。

 10位『スキップ』
 北村薫の『時と人』シリーズ一作目でこのシリーズはまだこれのみ読了。
 SFと言い切るには自信がないです、解釈次第なので――と言っても僕以外の多くの人はストレートにSFだと思っているようですが。フィクションにおいて理由なく不条理な状況が設定されたら作者はラストをご都合主義でもいいからハッピーエンドにするべきだという持論があります。それで言うとこのラストは納得いきませんが、現実的な解釈をするとこの状況を受け容れざるを得なくなるので僕はそういう立場に立つことにしました。

 9位『第三の嘘』
悪童日記』三部作の完結編で、要は悪童日記最高ってことです。
 入れ子構造とか信頼できない語り手だとかでもう何が何やら解らないのですが、だからこそある感動と言いましょうか。第一作には奇妙な面白さしかありませんが、それが第二、第三作と進むとそれはほんの序章に過ぎなかったことが解ります。文章が平易で、量も短いので是非読んでください。

 8位『2』
 野崎まどです。純粋に「面白い」ものは何かと訊かれたらミステリ研の多くの会員はこの本を挙げると思います(本当か?)。野崎まどの読書歴はとても気になります。ジャンル小説中心の読書家ではないと思うのですが。

 森見登美彦です。「ゼロ年代」が口癖だった時期に読んだのですがその時の僕の求めていたものはまさにこれだったと言うか、この本によって口癖は祈りへと変わったと言うか。佐藤哲也『シンドローム』と同じツボを刺激したのですが、こういう小説って他にどういうのがあるのでしょうか。具体的には「日常の中に非日常が紛れ込み、異物を異物として認識しながら日常が徐々に変質していき、ある日を境目に非日常へと移行する。異物にはまんが・アニメ的ではないリアリティがなくてはならない。そしてその異物は世界を変えるものであること。登場人物は子供が中心」。エブリデイ・マジックとか呼ばれる作品群にあるんですかね。

 6位『ソラリス
 名作。大抵の場合僕は古典的な名作と呼ばれるものを面白がることが出来ないのですが、これは面白かった。解説も素晴らしいです。

 5位『私小説
 水村美苗って挑戦的と言うか批評的なタイトルをつけるんですね。何が面白いのかは解らないんですが、一度読み始めると止まらなくなります。どこまでが「私」なのかは知らないんですが、後年になって水村の母親が本を出したというエピソードは面白いですね。

 4位『女王国の城』
 最後に読んだ有栖川有栖の作家シリーズにあまり良い印象を抱けなかったのと個人的な事情が重なりまして1年以上有栖川には触れていなかったのですが、学生シリーズは別ものだったと思い出すことが出来ました。

 3位『鴉』
 夏冬よりも面白かったです。いや、夏冬は面白いかと言うと微妙なところで、「すごい」に相応しい作品だと思いますね。語彙。
 僕はひぐらしうみねこが好きな人間でして、だからミステリは雰囲気・場所を重視すべきだというスタンスなのですが、そんな僕にぴったりの作品でした。横溝を読まねば。

 2位『月世界小説』
 メタメタで言語言語。このランキングにある作品だと、僕の大きく分けて二つある好みの内片方のトップがこの作品。もう片方は『ペンギン・ハイウェイ』。
 そう言えばこのランキングに『虚構船団』が入っていませんが、それはあまりにも難解で読みづらかったからです。面白かったし普通は難解であることがプラス要素に(僕の場合)なるのですが『虚構船団』はマイナスに働きました。適度に難解っていうのが頭が悪くてかっこつけの僕には一番合うのです。すみません。

 1位『宇宙消失』
 適度に難解だから良かったです。こういう論理のアクロバット(ミステリ研でもこの言葉を聞いたがはてさて)大好きです。



 くう~疲れましたwこれにて完結です!

 偏ることなく、そして有名作を挙げた(我ながら)良いランキングだと思います。良い記事を更新できました。

 本当は記事のネタなかったのですが←


 以下、各本のみんなへのメッセジをどぞ


最上階の殺人「嫌です」


スキップ「ドジスン」


第三の嘘「村上春樹アゴタ・クリストフに言及」


2「映画に出ませんか?」




ソラリス「海が」(作品が違う) 


私小説「from left to right」(ブログだと普通)


女王国の城「頑張ってシリーズ完結させます」


鴉「たまに「あ」って読んじゃう」


月世界小説「神狩り」


宇宙消失「実はわたしも結構な部分よくわからないで読んでいる」


では、


宇宙消失、月世界小説、鴉、女王国の城、私小説ソラリスペンギン・ハイウェイ、2、第三の嘘、スキップ、最上階の殺人、俺「皆さんありがとうございました!」




宇宙消失、月世界小説、鴉、女王国の城、私小説ソラリスペンギン・ハイウェイ、2、第三の嘘、スキップ、最上階の殺人「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」


本当の本当に終わり






寒いことをしてしまった。